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12月10日(金) |
東学党の乱(前編)
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今回の舞台は朝鮮。 時代は日清天津条約の後の1880年代後半〜90年代前半。 清はあいかわらず「朝鮮は俺の物」というポジション。 「だから、朝鮮は独立国だってば」と、日本が対抗。 朝鮮は「おろおろ」という状態でのお話です。 当時、日本が朝鮮と結んでいた日朝修好条規では、朝鮮に関税自主権が無いため、貿易をするには日本が有利な状態でした。 商売上手の日本は、こういう状況を見逃しません。 朝鮮から安い米や大豆を日本に輸入したり、関税が安いことを利用して、日本から品物を持ち込み朝鮮で高く売ってたりと、貿易にいそしんでました。 かねてからの目標「富国強兵」の「富国」のためですね。 ちなみに「強兵」の方も、なにげに順調です。 度重なる清とのいざこざから、清を仮想敵国として軍を見直し。 陸軍は六個師団を常設、近衛師団をつくり、北海道には屯田兵。 軍艦を多数用意し、海軍も整備しました。 ちなみに「師団」とは、軍隊の編成単位のひとつで、「近衛師団」は日本の場合、皇族を護る師団のことです。 「屯田兵」は北海道の開拓と警備にあたる兵隊のことで「農業もできる兵隊」といったところ。 (逆に「戦える農民」という場合もあり) 「強兵」はさておき、朝鮮から見れば、同じ米や大豆を売るなら高く売りたいに決まってます。 そんなわけで、(国内より)高く買ってくれる日本に朝鮮は米や大豆をガンガン輸出します。 国内で米や大豆を作れる量というのは、ある程度決まってますから、輸入をせずに輸出量を増やせば、国内の流通量が減ります。 当たり前ですね。 国内の流通量が減るってことは、貴重になるってことですから、当然値段が上がる。 すると、貧乏な人は米や大豆を買えなくなってしまいます。 昔は、農民は貧乏と相場が決まってましたので、そんな訳で、農民の生活はどんどん苦しくなって行きました。 ちなみに、高く売れている米や大豆というのは、農民が直接売っている訳ではないので農家の収入は変わらないんですね。 それに加えて1880年代末には朝鮮を凶作が襲います。 朝鮮はそれを理由に米や大豆を日本に輸出することを禁止しました。 これを「防穀令」といいます。 これによって日本の商人は大打撃。 政府の方も、「おいおい、それありかよ?日朝修好条規でそんなことしていいって約束してた?」と賠償を要求します。 そうはいっても、朝鮮国内の農家を護るためですから、しかたの無いことですし、当時の日本の新聞も「そりゃぁ、しょうがねぇな」と載せるなど、日本の世論もわりと好意的だったようです。 (商人除く) いや、貰う物(賠償)は貰うんですけどね。 農民の生活が苦しいのは、この貿易の為だけではありません。 |
11月 9日(水) |
東学党の乱(王室編)
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なにより生活が苦しい原因となったのが、「政治の腐敗」 これが何より朝鮮国民の生活を苦しめていました。 たとえば、朝鮮国王「高宗」 好きなものは「賄賂」 普通、賄賂ってのは「私をちょっと良い扱いにしてね」くらいなもんですが、さすが(?)国王、やることが半端じゃありません。 中央官職を「セリ」にかけます。 賄賂っていうより、売買です。 地方官職にいたっては「入札方式」 さらに普通、入札というのは入札の結果、権利を得た人だけがお金を払いますが「高宗式入札」はひと味違う。 お金は入札した人全員が払い、権利は一番高く入れた人だけが得る。 ひらたく言えば「親の総取り方式」 うはうはです、高宗。 王妃の閔妃だって負けてはいません(いや、負けとけ) 我が子「王子拓」と、王室の安寧(平穏無事なこと)を祈るために、お祈りをさせました。 国家予算の6倍くらいのお金を使って。 当然、閔妃のご機嫌をとるために賄賂を持ってこのお祈りに参加するような官僚達もでてきます。 お祈りといっても、静かなものではありません。 巫女(シャーマン)たちが狂ったように踊り、祈る呪術といいますから、賑やかな内容だったのでしょう、閔妃も一緒に踊ったりしたそうです。 そのほかにも閔妃は音楽好きで、毎夜、俳優や歌手を宮中に招いて演奏&歌唱させたという話もあります。 いくらくらいお金かかったんでしょう?
つづく |
12月24日(土) |
東学党の乱(役人編)
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こんなことやっていては、いくらお金があっても足りるわけありません。 で、お金が足りなくなった王室は、どうしたかというと、「なきゃ、作ればいいんだ」と、いわんばかりに、高額紙幣を発行しました。 そして、その新たに作ったお金を使って、出費をまかないます。 そんな事をしてしまっては、貨幣価値が、ぐっちゃぐちゃになってしまいます。 案の定、超インフレ(貨幣価値が下落し、物価が上がること) 朝鮮国民の生活は、益々苦しくなっていきます。 さて、官職を賄賂で買った役人たちはどうでしょう? 当然、「元を取る」ために、国民から搾り取ります。 もう、ありとあらゆるものに税金をかけ、更にはその税金の基準をごまかし、ついでに国に納める税金もごまかします。 徹底的ですね。 例を挙げると、当時、朝鮮の農民は国が所有する土地を耕し、その土地の面積あたりいくらと決められた税金を払っていました。 本来、納める義務のあるのは、この分だけなのですが、朝鮮末期には、いろいろと理屈をつけて、43種類の税金が一つの土地にかけられたりしています。 こうして集めたお金を着服しつつ、国に納めるわけなんですが、その手口も巧妙。
つづく |
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